Otsukimi
: The Moon Viewing
お月見は、十五夜、つまり中秋の名月を眺める、もともとは中国が起源の、日本の年中行事です。最近はこういう風流も少なくなりましたが、自然との付き合いを大切にしてきた日本人独特の、とても季節感のある行事です。
中秋の名月は、旧暦の8月15日の月をいいます。中秋というのは、陰暦の秋に当たる7,8,9月の真ん中が8月なので、8月15日の十五夜を中秋の名月と呼ぶそうで、これを仲秋と書くと、こちらは陰暦8月そのものを指す、ということになるようです。漢字も意味があるんですね。旧暦の15日とは0から数える月齢でいえば、月齢14になります。満月は月齢14〜16ですので、中秋の名月と満月は一致しないことの方が多いのです。 中秋の名月の日は毎年変わります。2002年は9月21日、2003年は9月11日でしたが、2004年は9月28日になります。が、旧暦8月15日に当たります。旧暦だと大体1年に10日ぐらいずつ早くなるのですが、時々閏月を入れて調整します。十五夜の翌日は十六夜の月で、十五夜をめでたら、「いざよい」で名残を惜しみます。この後、月の出がだんだん遅くなっていくので、月見を待たねばなりません。17日が立待月「たちまちづき」(立って待つくらいでお月様登場)、18日が居待月「いまちづき」、19日が臥待月「ふしまちづき」(寝て待つほど)、20日が更待月「ふけまちづき」(もうとっぷり夜更け)。
陰暦9月13日は十三夜、十五夜とセットでめでるのが正しい観月の仕方なんです。一方だけだと「片見月」といっていけないこととして避ける、という風習がありました。十三夜の方が、時期的にお天気がよいからきれいな月が見える、ということもあるし、収穫祭を忘れてはダメ、ということもあったのでしょう。ちなみに200 4年の十三夜は10月26日。覚えてるかなー。
お月見といえばお供え団子ですが、団子の数は十五夜になぞらえて15個、または1年の月の数12個とか。お月様に秋の収穫を感謝してお供えしますから、秋の作物として、初物である里芋は、日本の各地で代表的なお供えのようです。山芋に対して里で作るから里芋、東南アジアのタロイモの系列ですが、日本の里芋は中国系の品種。十五夜は別名「芋名月」とも呼ばれるほどです。そしてはずせないのがススキ。こちらは秋の七草の尾花の別名ですが、ススキはその丈夫さ故に、お米のイネがススキのように丈夫に育つように、という願いと、古来悪霊除けにススキが使われてきたという習慣から、十五夜のお供えとして定着したと言われます。
十五夜のお供え団子は、夜陰に乗じて長い串で子供がこっそり盗んで食べたり、という、そんないたずらも「お月様がお食べになった」と、大目に見る風習が今でも地方であるそうです。この日は子供のいたずらを許す、ってHalloweenと通じるところありますよね。
さて、英語教室でも、この日本の行事を使っていろいろ楽しんでみましょう。
お月見についてもっと詳しく知りたい方はこちらをクリック お月見のはなし
Words List
お月見は admiring the moon というのもありますが、雰囲気としてはmoonlight viewingがいいですよね。児童英語としては、moonを使いたいとも思うので moon viewingを採用しようかな。ウサギはEasterのようにbunnyを使いたいし、月見団子として、dumplingsや、ススキのpampas grassもはずせないでしょうか。お供えはofferingとなりますが、お芋sweet potatoes、梨pears、 柿persimmons、 栗chestnuts、松茸(matsutake)mushrooms、枝豆green soybeansも入れておきたい。豆と並んで、芋といえば里芋tarosも、お月見を語る上では絶対はずせないものです。(十五夜は別名「芋名月」、十三夜は別名「豆名月」と言われていて、この芋は大抵の場合里芋(東南アジアではタロイモ)です。)
「十五夜」は、旧暦8月15日の月「仲秋の名月」the autumnal beautiful moonをめでる事です。暑い夏が過ぎて涼しい秋風がわたる夜半に見る月が格別に美しく、その月をゆっくり眺めながら、収穫の秋を祝う、という意味を味わいたいですね。名月the beautiful fullmoon、the harvest moonも入れたいですね。
そして、せっかく月についてやるんですから、半月half moon、三日月crescentも教えておきたい。
ウサギの餅つきは欠かせませんから making rice cakesを入れましょう。
秋の七草はautumnal seven flowersまたはflowersをherbsにしてもいいかな。絵の得意な人はもちろん画才をふるって絵カードを作っておくといろいろ使えます。わたしはInternetなどで拾った絵を急いでプリントアウトしてカード用の紙(CALAの白カードなど)に張りつけ、日本語をローマ字で添えた英語を下に書いて、カルタとりの要領で先ずやってみました。日頃親しみのあるものだけに、結構みんなすぐ覚えました。
Activities
What're you doing? この行事にはこのquestionの練習がもってこいのような気がします。クラスを二つに分けて、actionを付けて“What're you doing?” “We're viewing the moon.”、“Are you looking at the moon?” “ Yes, we are.”。“What're you doing?” “I'm eating dumplings.”などと答えます。 一方のチームがウサギになって、“ What're you doing?” “ We're making rice cakes.” という具合に使えます。“What're bunnies doing?” “They’re hopping.” “They're looking at the moon.”など、3人称を使っての練習もしたいですね。
また、他のQ&Aのパターンで、“What can you see in the moon?” “ I can see a rabbit.”(“I can see bunnies.”) や、moonの絵にbunnyを入れたり隠したりして “ Can you see a bunny in the moon?” “ Yes, I can./ No, I can't.”なんていうのも楽しい。Make the moon full moon、half moon、crescentのうち好きな形を作って、“Which moon can you see tonight?”とたずね、“I can see a full moon.”などと答えさせましょう。先日、日蝕 eclipse of the sunがありましたが、高学年などには lunar eclipseを教えてもいいですね。幼児クラスなら、もちろんyellowの折り紙でmoonを手で千切って丸く作ってみるだけでも楽しいでしょう。
Autumnal Food Bingo apple、grapes、pear、persimmonのfruitsを始め、potato、sweet potatoやmushroom、green soybeans、chestnuts、それにdumplings、rice cakesなども入れて、foodのBingoなんかも楽しいのでは。それぞれの絵カードを作って、4×4や5×5に並べて、チップを使ったり細長い紙をちぎったりして、出たカードの上に置いていくと、Bingo Gameが出来ます。
お正月の鏡餅セットに付いている三方があったら、それにAutumnal Foodを載せていきましょう。foodのspellingを書いた紙片を用意し、生徒にpick upさせ、紙に書いてあるfoodを読んで絵カードを三方に盛り付けるgameをチーム対抗でやるのもいいですね。小さい子なら、gestureや、colorやshapeのhintを与えてfoodのカードをguessさせる事も出来るでしょう。
Offerings Game Otsukimi絵カードを用意します。絵カードを伏せてテーブルに広げ、中央にfull moon(黄色の色画用紙で作成)と、三方又は小さなお盆を2つ用意します。生徒達を2チームに分け、お盆の周りに広げたカードを1枚ずつめくらせ、“What do you offer to the moon?”あるいは"Can you offer it?" と尋ねます。foodのカードが出れば、自分達のチームのお盆にお供えが出来ます。foodのカードでなければお供えが出来ません。こうして、どちらのチームがお月様に沢山お供えが出来るかを競います。
初めは、“Grapes./Mushrooms.”とか単語単位でfoodをanswerさせますが、慣れてきたら、あるいは経験者クラスなら“I offer dumplings to the moon.”とsentenceで答えさせましょう。Otsukimi Picture Card お盆と月に手作りのカードを写真に撮りました。
1999年9月に、はじめてこのゲームをPAクラスでやったときのこと:
foodが出ればofferingが出来るというので、だんだん少なくなるcardsを前にして、あと何のfoodがあったかを、みんな一生懸命思い出そうとしまてました。そして、片方のチームが大きくリードしたとき、負けているチームのメンバーが、「matsutake mushroomsが出たらボーナスポイントにしよう」と言い出しました。matsutakeをボーナスポイントにする、という発想は、日本の子供だから出たことでしょう。そして、こういう風にゲームを自分たちで発展させていく、ということは日本の文化だから出来るのだ、ということに、わたしは殆ど感動して見守っていました。
さらに、最後に、gameの終わりを惜しむかのように、残ったfood以外のcardsをみんなで一斉にturn overして、full moonを引いた生徒の勝ちにしよう、と言いました。そのときfull moonを引き当てたのは、game中ずっと殆どはしゃがなかった大人しい女の子で、彼女もさすがに嬉しそうでした。最後にみんなhappyになって、みんな満足。full moonなら、という発想も、日本の子供ならではのものではないでしょうか。
Song&Chant 代表的なostukimi songを英語でchant風に。
Bunnies, bunnies, what're you doing?
We are hopping. Look at the moon.
We are viewing a beautiful moon.
We are hopping,the moon is full.