Oshogatsu
New Year's Days - Jan. 1 - 7
Japanese Cultureで絶対はずせないものが「お正月」です。
年の初めに、初日を拝み、家族揃って、ちょっとあらたまってお屠蘇を回して「明けましておめでとう」を言い合う晴れがましさ。お雑煮とおせち料理を囲み、そしてお年玉をもらって、あったかい炬燵の周りで、年賀状を心待ちにして読む和やかさ。晴れ着を着て初詣に行き、おみくじを引く楽しさ。そして、いつも忙しい父や母と、ゆっくり双六やカルタをして遊ぶ幸せ・・・。家族揃って新年を祝い、皆の健康・長寿を願う正月の行事は、日本の一番代表的なHolidayです。正月は歳神様(年神さま)が訪れるとき。その年に神様(正月様)が訪れる方向は明けきの方といわれ、その年の縁起の良い方向とし、わたしたちはその年の歳神様に一年間の生きる力を貰います。年末に大掃除をして掃き清めた門前に飾る門松は、神様がいらっしゃるための依代(よりしろ)となるところ、Christmasで言えばSanta Clausの来るchimneyでしょうか。玄関につるすしめ飾りは旧年の不浄を払った印、神様をお迎えできる清らかな場所を表します。いずれも大晦日に飾るのは「一夜飾り」として嫌われるので、なるべく早く飾ります。
鏡餅は神様へのお供え物です。年神様はご先祖様とも考えられ、鏡餅に飾るうらじろは長命を、橙は代々の繁栄を、昆布はよろこんぶ、エビは腰の曲がるほどの長寿を表すなど、Christmas Treeにもなぞらえる、正月に欠かせぬ家の中のdecoration、三方にのせて床の間などに大切に飾ります。
秋に取れた新米でついたお餅をお供えして、そしてお雑煮としていただくことで、日本文化に欠くことのできぬ稲の命の力をいただく、という意味もあります。
お屠蘇で邪気と病気を退治し、おめでたいものを重箱に詰めたおせち料理(=節句の御馳走)を食べて、正月を祝います。
お年玉は、昔はお金ではなくお供えと同じ丸いお餅でした。年神様の下さるお餅の「玉」は、文字通りの「お年玉」、それは命の玉、すなわち玉しい=魂をいただくことです。子供たちに一年の幸せを授けるお年玉を、わたし達も心をこめてあげようではありませんか。
さて、日本の風物や情緒を、このときほど味わいなおす時期はありません。英語教室もこの時期は冬休みですが、少しでも英語でOshogatsuに触れたいものです。
お正月にまつわる話 お正月の起源やいわれなど知らないこともいっぱいです。
世界のお正月 世界各国のお正月の様子がわかります。
Words List
お正月はthe New Year/the New Year's Holiday/New Year's Dayといろいろありますが、わたしたちにとってのお正月は、三が日が特別の日=holidayで、七草がゆ=rice porridge with seven grassesで一応正月が明けると考えているようなので、New Year's Daysと複数形にしてみました。元旦がthe New Year's Dayということになりますが、日本のお正月独特の風物にはみんなこのNew Year's 〜 つけなければならなくなりそうなので、Oshogatsu=New Yearということを前提に、お正月関連の品々からはNew Year's 〜 を省くことにしました。そうすることでかなりすっきりします。kadomatsu=pine decorations, shimekazari=hanging straws, kagamimochi=a pair of rice cakes (mirror-shaped), zoni=a special soup (with rice cake)という具合です。
でもおせち料理は osechi=traditional cookingではちょっと不足でしょうから、for the New Yearを付けるか、 New Year's mealsとするか。年賀状もやはりa New Year greeting cardでしょうし、お年玉もa New Year's giftということになるでしょう。お年玉つき年賀状はa New Year's lottery postal cardになりますね。
さて、Traditional New Year's Days Gamesですが、hanetsuki=a traditional Japanese badminton、 takoage=flying kites、 komamawashi=spinning topsといったところでしょうか。karuta=a card game, fukuwarai= a funny face 、 sugoroku=a board gameも、なるべく易しい単語を選びました。双六はParcheesiという商品名から来た英語もあるようですが、ちょっと難しいしね。
少しお飾りのfoodやcookingの方も入れましょうか。kombu=kelp, prawn, daidai=bitter orange, rice cake, zoni= a New Year's soup, simmered black beans(黒豆)、herring roe(数の子)、simmered vegetables(煮しめ)、boiled fish paste(かまぼこ)、chestnuts with sweet potato paste(きんとん)・・・だんだん長くなってきて難しくなりますからこの辺で。
初詣はthe first worshipでいいでいいかな。あれこれ付けると長くなるので。throwing money(賽銭)、a lucky charm arrow(破魔矢)、a selected fortune(おみくじ)、a votive tablet(絵馬) といったものも、短い英語では不満足の感はぬぐえませんが、ひとつ、最近目にしなくなった正月の風物詩 a dancing lionと言えばこれはもうぴたり、という感じで面白いと思いませんか?
Activities
Guess What? Japanese Cultureを英語にするとき、なかなか単純な英語にしづらいものですが、お正月にまつわる日本語は、いっそう困難なものが多いような気がします。ついついいろいろ説明したくなってしまう、ということで、短い英語で説明しきれないOshogatsu Wordsを、sentenceで生徒たちに聞かせ、それは日本語で何に当たるか、をguessさせる、というのはどうでしょうか。画用紙に、お正月関連の品々、遊び、風物、お料理などを描いておいて、はじめにJapaneseで確認しておきます。案外、日本語の方も怪しかったりするので、お正月の謂れなども含めて、日本文化の方もしっかりさせておいた方がいいかもしれませんね。
"This is the pine decoration used in pairs. We decorate one on each side of the front gate or door of our houses. What is it?"
"During the period from the midnight on New Year's Eve to January 7th, we visit a shrine or a temple for the first time of the year. We pray for a healthy and happy family in the coming year. What is it?"低学年や初心者のクラスでは、もう少し短くした方がいいかもしれません。listeningの練習と、日頃なじんでいる日本のcustomが英語で言うとどうなるのか、興味を持ってもらう導入としてはとてもよさそうです。
CALAで手に入れた"Tokyo Friends"の絵本の中にも、お正月のページがあるので、早速そのページを使ってちょっとやってみました。生徒たちはどれがそうだろうか、と耳をそばだてて、ヒントになりそうな、自分のわかる英語を聞き取ろうとしてました。そういうことって大事ですよね。
What's your resolution? 年の初めに「今年は〜するぞ。」という、たいてい3日坊主で終わる(?)決意=Resolution。 "I'll get up early." "I won't forget to do my homework.." "I'll save money."・・・あ、そうそう "I'll often watch ECC videos." "I'll listen to the tapes every day."なんていうのも是非お願いしたいものだけど。
でも、子供たちの方は "I'll finish the games as many as possible." "I'll play with my friends every day."なんていうのが出てきて、なんかちょっと違うんだけど、と思いつつ、日頃の忙しくて余裕のない現代の日本の子供たちの生活に考えさせられるものもあります。
で、「先生は?」ということになり、"I'll create Japanese culture's activities for you."なんて大まじめに答えると「なーんだ」ということになってしまいました。うーん、ホントは"I'll be on a diet."かな?いやいや"I won't drink too much."か。どっちにしても守れそうにありませんけど。それぞれのMy Resolutionを好きなカラーの短冊に書いて張り出してみるのもいいですね。
What's your animal sign? (the Oriental Zodiac) Japanese Cultureでは、干支(=China Zodiacとも)で年を数える、ということがあります。今では普段はあまり使いませんが、お正月にはその年の干支の絵を年賀状に刷ったり、年男・年女(=the Man of the year, the Woman of the year)などといってお祝いしたり、だれがどの干支の生まれか、を言い合ったりしますね。(で実年齢がばれてしまったり)
生徒たちも自分の干支をたいてい知っています。クラスの中では似通った年齢なので干支が偏るかもしれませんが、twelve animalsを教えておき、Interview Sheetを作って、お互いの干支を言い合うようにしましょう。Ne=rat, Ushi=ox, Tora=tiger, U=hare (rabbit), Tatsu=dragon, Mi=snake (serpent), Uma=horse, Hitsuji=sheep, Saru=monkey, Tori=cock (rooster), Inu=dog, I=wild pig (boar)
This year is the Snake (Serpent)..
Games
Oshogatsu Karuta in English 上のActivitiesにあるGuess What?を、もう少しgameっぽくするために、日本のカルタのように、絵札Picture Cardsと読み札Reading Cardsを作ってみました。Picture Cardsの方には、Oshogatsuにちなんだいろいろな絵や写真やカットを配し、Reading Cardsの方には、それぞれの英語での説明を書いておきます。少し長いsentence、あるいはtwo sentencesにしたので、肝心のものを表しているwordsにはred lineをひいておきました。
先ず、Picture Cardsをばらまいて、わかりにくいものや、ちょっと難しいものの日本語を確認しておきます。
講師がReading Cardsを読み、どのPicture Cardsのことを言っているのか考えてカードを取っていきます。初心者クラスや低学年では、当てずっぽうに次々と指す札を変えていく生徒が半分ぐらいですが、経験者クラスや高学年では、何回か聞いてPicture Cardsを見渡して考える、という生徒が目立ちました。※日本語は、「鏡餅」や「初詣」くらいは大丈夫のようですが、「門松」、「しめ飾り」、「破魔矢」になると怪しくて、「お屠蘇」は、殆どが知らない。「お茶」って言われてしまうことが多くて、困ってしまいました。
※「絵馬」とか「破魔矢」、「達磨」など、それぞれについてどういうものか知っている生徒の方が、英語で言われてもわかる、というのが印象的でした。表面的なことだけでなく、何に使うか、どういうためのものか、英語では多少そういう説明を付け足して言うからでしょうか。一通り終わったら、今度はReading Cardsの方をばらまいて、今とった自分のPicture CardsにmatchするReading Cardsを探します。一度聞いているので、それぞれわかっている単語を手がかりに探します。
※「鏡餅」ならrice cakeと書いてあるのを、「干支」ならtwelve animalsと書いてあるのを、「お雑煮」ならsoup・・・という具合に、自分の札だけでなく、他の人の札も、みんなで手分けして探してました。読むことで、英語の説明がだんだん生徒たちに浸透していく様子が興味深く観察できました。
これで終わり、にするのを惜しんだクラスでは、もう一度、一枚一枚Picture Cardsを見せていって、Reading Cardsの方をとる、百人一首形式みたいなのをやりました。これをやると、生徒たちのReadingの力が一目瞭然、という感じですが、全部読めなくても、一部だけを目ざとく見つける生徒もいて、ほかのGamesでもそうですが、集中力もモノをいいますね。